革のエイジング(経年変化)を楽しもう 〜自分の色に育ち、歴史を刻むレザー〜
革製品を使う最大の喜び。それは『エイジング(経年変化)』にあるといっても過言ではありません。最初は同じようにみえた革色が、使い方や環境で、だんだんと別の表情に変わっていきます。エイジングの魅力や楽しみ方、色や艶の変化の仕方、革を美しく育てるコツを紹介します。
革のエイジングとは 〜経年変化の魅力〜
3WAYソフトダレスバッグ(愛用歴:1年)
革のいちばんの魅力は「自分の色に育ち、歴史が刻まれること」。色、艶、手触り、質感、重さ、厚さ……。同じものを使っていても、環境や使い方によって、革の表情は大きく変わります。
「いつまでもピカピカで美しいまま」なものもあれば、「渋さを増してどんどん深みを帯びていく」ものもあり、なかには「ちょっと疲れてきてくたびれた」ものも。
その人の個性や暮らし方、生き方を反映しながら、味わいと深みを増していく。こうした革の変化をポジティブに捉えた呼び方が「エイジング(=経年変化)」です。
愛用する革アイテムを世界にひとつだけのオリジナルな色・風合いに育てあげる楽しさ。エイジングの魅力はそこにあります。
色による経年変化のちがい 〜ポルコロッソオリジナルレザー4色のエイジング〜
ポルコロッソのオリジナルレザーを見本として、キャメル・チョコ・レッド(赤)・ブラック(黒)それぞれの経年変化の様子をみてみましょう。
愛用期間や革の種類(ハード/ソフト)によっても、色の変化は異なります。アイテム選び・色選びの参考にしてみてください。
※向かって右側に新品、左側に現在使用中の写真を並べました。写真をクリックすると、商品ページにリンクします。
CAMEL キャメル
変化の過程がより楽しめる
定番の人気カラー
レザーの風合いを存分に楽しめる、当店人気No.1のお色です。年代やシーンを問わずにご愛用いただけるとともに、男女どちらでも使いやすいので、革初心者が最初に使う色としてもおすすめ。
使い込むにつれ、飴色に変化していく様子は実に味わい深く、手にするたびに温かみと気品を感じることができます。
CHOCO チョコ
シーンを選ばない
オールタイムベストなカラー
キャメルほど大きな色の変化はありませんが、使い続けるにつれ艶感が出て、シックな色合いを楽しむことができます。
カジュアルにもエレガントにもぴったりなカラーなので、シーンを選ばずに使いたい方にとくにおすすめ。
RED レッド
色の深みと艶感が美しい
自分に馴染んでいく色
鮮やかなのに、どこか落ち着きを感じさせる深い赤色は、女性のみならず男性にもスタイリッシュにお使いいただけるカラー。
使い込むほどに、どこまでも深い深い色の変化をみせてくれます。
最初は、個性的すぎるかな?と思っても、深みと艶感が増していくにつれ、自分だけの色としてしっくりと馴染んできます。
BLACK ブラック
ビジネスシーンに合う
大人カラー
シックで大人っぽい印象を与えるカラーとして、男女問わず、年代問わず多くの方にお選びいただいています。
革色の変化はあまりありませんが、使えば使うほどに艶感が増していきます。黒光するきらめきには、黒にしか表現できない美しさがあります。
とくにビジネスシーンには合わせやすく、普段の装いをよりエレガントにしてくれるので、フォーマルシーンにもぴったりな色です。
ポルコロッソレザーについて
『20年後、息子に譲るモノ。』というコンセプトから生まれたPORCO ROSSOブランドの本革製品は、20年後も愛される革を目指して作り上げたオリジナルレザーを使用しています。
日常生活の中では、ふとしたはずみで傷がついたり、ちょっと日焼けをしてシミになることもあるでしょう。突然の雨に降られて濡れてしまうことも。革製品はそんなアクシデントすら価値に変えていく面白さがあります。
あなたの人生とともに、あなたの愛用品が、これからどんな表情に変化していくか、じっくりとゆっくりとお楽しみください。
革を健康的に美しくエイジングさせるコツ
過度なケアをしない
「大事にしすぎてクリームをベタベタ塗る」「ブラッシングをしすぎる」といった過度なケアをすると、かえって革に負担をかけてしまいます。お手入れの頻度や使用するメンテナンス剤の量、ブラシのかけ方……。どれをとっても、ほどほどが大切です。
よく触れる小物は1シーズンに1回、鞄は1、2ヶ月に1回程度の頻度で定期的なメンテナンスをおこないつつ、汚れや染みができたときには、急がずにじっくりと、時間をかけてケアしていきます。メンテナンスオイルは少量ずつ、柔らかい布やスポンジにとって塗り広げましょう。
手でよく触れる
手から分泌される油分は、日々の生活のなかで革製品に染みこんでいく天然のオイルのひとつ。ときどきでも構いませんから、大切にしている革鞄や小物を自分の手で愛でてあげてください。自然と油分が革全体になじんでいきます。そのため、肌身離さず身につけているアイテムはエイジングが速く進みます。
革に傷ができたときには、手で揉みこむことで目立たなくなることもあります。それでも傷が革になじまない場合には、少量のクリームを指にとり、ピンポイントで揉みこんでみてください。数日かけて、徐々になじませていくのがポイントです。
もちろんのことですが、手が汚いと革も汚れてしまいます。触れるときは適度にきれいな状態で。
防水スプレーの使用は最小限に
革をコーティングする防水スプレーは、使いすぎると革が呼吸できなくなり、オイルやクリームが浸透する妨げになります。エイジングも進みづらくなってしまうため、雨の日が多い梅雨の時期など、必要なときに必要な量だけ使用するように心がけてください。
経年変化するとされるベジタブルタンニンなめしの革は、できることなら防水スプレーを使わずに自然のまま育てていきたいもの。必要最低限の使用にとどめ、革のありのままの美しさを引き出しながら育てあげるのが理想です。
小雨のときは防水スプレーの代わりにラナパー(メンテナンスオイル)を塗るなど、ほかの防水対策を検討してもいいですね。
革のエイジングを楽しむために大切な「寛容さ」
どこかにすれたり、雨に濡れたり。革製品を毎日使っていると、知らぬ間に傷や染みができていることがあります。これらも実は、エイジングのひとつです。
日々の生活をともにしているからこそ生まれる味わいとして、一見マイナスにみえる変化も楽しめるようになると、愛用品との距離がぐっと縮まります。
「あ、これってあのときにつけた傷だ」「あの雨の日、紫陽花がきれいだったなあ」
傷や染みを眺めながら思い出にふける夜もまた、趣があるものです。寛容になることも、エイジングを楽しむコツといえるかもしれません。
スタッフインタビュー「自分だけの色や風合いを想像しながら、革と向き合う
エイジングで味が出てくると、「自分だけの」という感覚が生まれて愛着がわき、これからもずっと長く、メンテナンスをしながら使い続けようと思うようになりました。
実は僕は、大切に扱いすぎないようにしています。多少の傷や染みができても、いつかきっとなじむから。その傷や染みをメンテナンスする時間も楽しむようにしています。
自分だけの色や風合いになっていく未来を想像しながら革製品と向き合っていると、ワクワクしてきますよ。
なにげない日常のきらめき。特別なあの日の感動。いつも隣にある革製品は、思い出の数々を刻んでいきます。エイジングした革を眺めながら振り返る日々は、きっと愛おしく感じられることでしょう。革だからこそ味わえる喜びを、あなたも味わってみませんか?
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