革にやさしい保管方法 〜カビや形崩れを予防しよう〜

革製品を使う上で、悩みやすいポイントのひとつが「保管方法」。カビや型崩れを防ぎ、美しい革を保つために、正しい方法で保管しましょう。大切な革のアイテムを愛用し続けるために覚えておきたい、革にやさしい保管方法と保管場所をご紹介します。

革製品の保管のキホン

革製品を保管する上でのいちばんの大敵は「カビ」です。湿度の高い場所や直射日光があたる場所は避け、できるだけ風通しのよい場所で保管します。

毎日の保管

財布やビジネスバッグなど普段使いのアイテムは、使わない日には中身を出して休ませてあげてください。革への負担が和らぎ、持ちがよくなります。柔らかいタオルや新聞紙を入れておくと、湿気や虫から守ることができます。

長期の保管

特別な日にだけ使うアイテムや季節に応じて使い分けているアイテムは、保存期間が長期にわたります。中身をすべて取り出して汚れを落とし、オイルメンテナンスをしてから保管するのが理想です。

タオルや新聞紙を入れて型崩れを防ぎ、ほこりがつかないように柔らかい布の袋に入れます。縦置きで保管してください。

用意するもの

・革用のブラシ
・乾拭き用の布
・中に入れるタオルや新聞紙
・アイテムが包まれていた袋

お手入れの前に、ブラシにほこりが残っていないか確認しておきます。布は柔らかくきれいなものを用意してください。

アイテムが包まれていた袋を用意できない場合は、風通しがよく柔らかく、色移りの心配がない袋を使います。ビニール素材は通気性が悪くカビの原因になるほか、ビニールの成分によって革が変質することがあるため、使用しないでください。

革製品の保管方法

保管する際に大切なポイントは、汚れを拭きあげること。汚れが残っていると、カビの原因になります。ブラシや布を使ってほこりや汚れをやさしく取り除いてください。頑固な汚れは、水に濡らしてかたくしぼった布やタオルで水気をなじませるようにして落とします。

時間に余裕があるときは、同時にメンテナンスオイルを使って保湿もしておくと安心です。オイルやクリームを塗りすぎるとカビの原因になるため、使うときは少量に抑えましょう。

型崩れと湿気を防ぐため、鞄のなじゃに柔らかい布やタオル、丸めた新聞紙を入れます。

新聞紙は湿気対策に役立つほか、虫よけの効果にも期待できます。色移りが心配なときは、布やタオルにくるんでから入れましょう。

製品の入っていた袋、または代わりになる柔らかい袋に入れて保管します。高温多湿な場所を避け、日光のあたらない風通しのよいところに置きましょう。

型崩れしないように、革のアイテムは縦向きで置くのが基本。吊るし置きは控えてください。ハンドルやベルトが革だと伸びてしまいますし、革以外の素材であっても本体との接合部分に負担がかかってしまいます。

クローゼットで保管するときのポイント

革製品は風通しのよい場所で保管するのが理想ですが、クローゼットや棚に収納するときには、風通しのよい場所を確保するのが難しいケースもあります。

クローゼット内の湿度を調整するため、月に1度はクローゼットを解放するのがおすすめです。クローゼットを開けた状態で窓を開け、部屋全体の換気をおこないましょう。

革が変質する原因になるため、防虫剤は袋に一緒に入れないように気をつけます。ゼリー状の乾燥剤も、万が一触れると革が硬くなったり収縮したりすることがあります。使用しないように心がけてください。

革は使いこむことで風合いが増しますが、たまには休ませてあげることも愛情のうち。ずっと隣にいるからこそ、革にやさしい方法で保管してあげてください。再会したときに、気持ちよく使えるように。

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