牛革の種類と特徴｜革の豆知識

牛革の特徴

もっとも使いやすく加工しやすい万能革

革のなかでもっとも流通量が多く、身近な素材である牛革。身の回りにある革製品の多くは、牛革でできています。耐久性があり使いやすいうえ、加工のバリエーションが豊富なため、バッグや財布、靴、インテリア用品など、さまざまな用途で活用されています。

種類が抱負でさまざまな名称がある

部位やグレードによって強度や厚さ、硬さ、耐久性、風合いが異なり、個性豊かなところもおもしろいポイントです。雌雄のちがいや成長過程、出産や去勢の有無に応じて、カーフスキン、キップスキン、カウハイド、ステアハイド、ブルハイドと別々の名称で呼ばれています。

ちなみに「ブル」は成長した雄牛、「カウ」は成長した雌牛のこと。「ハイド」は大型動物の革、スキンは小型動物の革です。

牛革の種類

カーフスキン：最上級の牛革

生後6ヶ月以内の仔羊の革。仔牛から採られるため面が小さく薄手で、キメが細かく柔らかいのが特徴です。銀面が美しくなめらかで、肌触りもよく、最上級の牛革として扱われています。繊細な革なので、傷がつかないように気をつけながらお手入れしてください。

その質と希少性から高価格で取引されており、ハイブランド（ブティックブランド）の財布や靴にしばしば使用されています。なお、ヨーロッパでは次項の「キップスキン」もカーフとしてまとめて扱う場合があるため、注意してください。

キップスキン：美しく柔らかな高級素材

生後半年〜2年ほどの牛の革。仔牛と成牛の中間なので「中原皮」と呼ばれることもあります。カーフほどではありませんが、なめらかで美しく、肌触りは柔らか。カーフよりも供給量が安定しているため、ハイブランド（ブティックブランド）のバッグや財布などにもよく使用されています。

カーフよりも肉厚で耐久性があり、用途が広いのも特徴です。前述のとおり、ヨーロッパではキップも含めて「カーフ」と呼ぶことがあるため、「カーフスキン」として流通するキップスキンがしばしばみられます。

カウハイド：柔らかさと丈夫さを併せもつ革

生後2年以上の牝で、出産経験のある成牛の革。重量によって、さらにライトカウ（約13.6～24.0kg）とヘビーカウ（約24.0kg〜）に区別されることがあります。ブライドルレザーの多くは、この革で作られています。

厚み、キメ細かさ、強度はキップとステアの中間です。カーフやキップスキンには劣りますが、雄の成牛と比べると柔らかい革に仕上がります。繊細さと丈夫さを兼ね備えた素材です。

出産経験があり腹周辺は繊維がゆるい傾向があるため、肩から背中を革として使用します。なお、未産の革はカルビンと呼ばれ、よりキメ細かく、なめらかな肌触りです。

ステアハイド：丈夫で大きく用途が広い革

生後3〜6ヶ月以内に去勢され、2年以上経った牡の成牛革。58.0ポンド（約26.0kg）より重いか軽いかで、ライトステアとヘビーステアにさらに分けることもあります。

ステアハイドの特徴は、肉厚で丈夫で、サイズが大きいこと。流通量が多いうえ、品質が安定しており、美しさと耐久性のバランスがとれた革に仕上がるため、さまざまな製品に使用されています。

なお、ポルコロッソでは栃木レザーで鞣され加工されたオリジナルレザーを使用しています。栃木レザーは主に北米産のステアハイドを使用しています。

もっと詳しく→ステアハイドの特徴｜革の豆知識

ブルハイド：強さを持ち味とする独特な革

生後3年以上経った、去勢されていない牡牛の革。牛革のなかでもっとも丈夫で肉厚で、繊維が粗い種類です。傷が多い点も特徴です。

とりわけ首と肩は重厚かつ繊維が粗いため、靴底や工業用の革など、強度が求められるパーツとして使われています。硬くてゴワゴワしているため、衣類やバッグにはめったに使用されません。

一方で、品種によってはしなやかに仕上がるものもあります。その独特の質感と風合いから、愛用するレザーファンも少なくありません。

ハラコ：短い毛を特徴とする希少な革

出産前に死亡した雌牛のお腹にいた子や、生後間もない仔牛の革。希少なためほとんど流通しておらず、めずらしい高級素材です。毛がついたままなめされることが多く、独特の仕上がりになります。ポニーレザー（仔馬）の革で代用することもあります。

日本製の革は上質な素材として人気

牛革にはイタリアンレザーなど海外で生産されたものと、日本製のものがあります。どちらも人気がありますが、保存状態がよい国産の革はとくに高品質な素材としてレザーファンから愛されています。

ポルコロッソレザーも、栃木レザーを使用した日本製の革です。

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